ここ最近、頻発する児童虐待事件を受けて、「児童虐待防止対策の強化を求める要望」を清水勇人市長に提出しました。
その要望書の全文は、以下の通りです。
「児童虐待の予防や早期発見、虐待を受けた児童の迅速かつ適切な保護など、児童虐待の防止については、平成12年5月に『児童虐待の防止等に関する法律』が成立して以来、様々な施策の推進が図られてきました。
しかしながら、この間、子供の尊い生命が奪われるなどの深刻な虐待事件は後を絶たず、児童虐待の防止は、依然として社会全体で取り組むべき重要な課題となっています。
こうした状況の中、本年3月、東京都目黒区において、香川県から転居した家庭の5歳の女児が、保護者からの虐待により亡くなるという痛ましい事件が発生しました。この事案については、現在、東京都・香川県において検証が進められていますが、児童相談所においては、虐待による相談などの支援を行っている家庭が転居した場合の円滑かつ確実なケースの引継ぎ、教育機関や医療機関等の児童虐待を発見しやすい立場にある者からの情報収集など、関係機関と緊密に連携・協力した児童虐待防止対策の強化が求められています。
よって、市においては、このような状況を踏まえ、以下の事項について、早急に取り組むことを強く要望します。
1.虐待が疑われる児童や支援を必要としている家庭を早期に発見し、地域社会からの孤立を防ぐとともに、適切な対応が可能となるよう、警察との情報共有を緊密に連携して行うこと。また、教育機関や医療機関等がこのような事案を発見した場合に、迅速かつ適切に児童相談所に通告や情報提供できるよう、関係機関との協力体制を強化すること。
2.支援を行っている家庭の転居に伴うケースの移管に当たっては、支援の隙間が生じないよう、転居先やこれまでの対応状況等の必要な情報を共有するなど、児童相談所間で十分に連携を図ること。
3.児童虐待事案が深刻化・複雑化している状況に鑑み、医師、弁護士等の専門職の活用を図るとともに、研修等により職員の資質の向上に努めるなど、児童相談所の組織体制を強化すること。」